サーカスの事件簿

ユリウス
聞いてくれマディー！さっきスーパーで、風変りな集団がたむろしているのを目撃したんだ！

ユリウス
一体何が起きているのやら。

メイソン
公園で筋トレしてる、ものすごくマッチョな人たちのこと？

ユリウス
違う、私が見たのはピエロだよ！

メイソン
えっ？ピエロもいるの？

マディー
なら、サーカス団が町にやってきたのね！

ユリウス
サーカス団？

マディー
ええ。巡業サーカス団です。あの伝説的パフォーマーのフィオナ・デュバルが率いているんですよ。

マディー
きっと、みんながあっと驚くショーを見せてくれるはずです！

マディー
おばあちゃん、聞いた？サーカス団が町にやってきたのよ！

ウルスラ
本当かい？彼ら、まだ昔と同じ古いワゴンとテントを使っているのかねぇ…

マディー
え？あのサーカス団のショーを見たことがあるの？

ウルスラ
まぁ一応ね。パフォーマンスのクオリティは保証するよ！

マディー
そうでしょうね。私も待ちきれないわ！

フィオナ・デュバル
こんにちは！あなたがマディーね！

マディー
はい！あなたがフィオナ・デュバルさんですか？

フィオナ・デュバル
ええ、そうよ！邸宅の敷地を使わせてくれてありがとう。あらためてお礼を言うわ。

フィオナ・デュバル
ツアーの計画はもう立てていて、必要な許可も取ったの。でも、市議会に公園の使用を禁止されて、困り果てていたのよ…

フィオナ・デュバル
あなたのおかげで助かったわ。

マディー
それはなによりです。私もフィオナさんに会えて光栄です！

マディー
サーカス団のことは、新聞や本でたくさん読みました！

フィオナ・デュバル
あら、とっても嬉しいわ！こちらこそお会いできて光栄よ。

マディー
ショーの準備で必要なことがあれば、遠慮なく言ってください。ピエロの鼻の整理でも、チラシ配りでも、喜んでお手伝いします。

フィオナ・デュバル
それなら、何かお願いしちゃおうかしら！

ハンク
マディー、何かできるマジックはあるかい？

マディー
集めた小枝の山を庭から一瞬で消すことならできるわ！

ハンク
そりゃすごい！見せてくれないか？

マディー
でも、マジックじゃないわよ。ただのガーデニングだし。

ハンク
なんだ…いや、それはそれですごいけどね。

ユリウス
くじ引きのチケットを大量に買い込んだんだ。これで大当たりは間違いなしだな。

ユリウス
生まれてこの方チケットなど当たったためしはないが、今回は違う…幸運の女神が微笑んでいるのが見えるよ！

デボラ
それは楽しみね！私も買っちゃおうかしら。

ユリウス
どうしたんだ、ウルスラ？君は買わないのかね？

ウルスラ
私はやめておくよ。こういうイベントは、こっちが負けるように仕組まれているのさ。

フィオナ・デュバル
ウルスラ、久しぶりの再開ね！お元気かしら？

ウルスラ
ああ、この通り元気いっぱいさ。また会えてうれしいよ、フィオナ。

ウルスラ
あんたの方こそ元気そうでよかった。まだ巡業や公演を続けているとは驚きだよ。

マディー
二人とも、知り合いなの！？

フィオナ・デュバル
ええ、もうだいぶ長い付き合いになるわ。そうよね、ウルスラ？

フィオナ・デュバル
当時は同じワゴンで寝食しんしょくを共にしていたのよ。二人で特訓に励み、苦楽を共にした日々…懐かしいわ。

フィオナ・デュバル
そして、この場所のこともよく覚えているわ！

フィオナ・デュバル
邸宅は見違えるほどきれいになったわね！改装作業は順調に進んでいるようじゃない。

フィオナ・デュバル
まだ昔の物が残っていたりするのかしら？

マディー
ハハハ、見たらきっと驚きますよ。

パール
信じられない噂を聞いたんだけど…ウルスラさんは昔、サーカス団にいたらしいって！

マディー
それは噂じゃなくて、本当のことだと思うわ。

マディー
サーカス団の団長のフィオナ・デュバルさんによれば、昔は二人で特訓に励んでいたそうよ。驚いた？

パール
驚いたというか、腑に落ちたというか…

フィオナ・デュバル
悪いんだけど、このチラシを町で配ってもらえないかしら？もし引き受けてくれるなら、とても助かるわ。

マディー
ええ、いいですよ！

フィオナ・デュバル
ありがとう、マディー！私は今からドレスリハーサルがあるの。

マディー
がんばってください！ケガだけはしないように気をつけてくださいね！

ウルスラ
マディー、フィオナには気を付けたほうがいいよ。

マディー
どうして？苦楽を共にした友達なんでしょ？

ウルスラ
そうだよ。だからこそ彼女のことは、誰よりも理解しているのさ。

ウルスラ
彼女は才能あふれる人物だ。でも同時に、たくさんの秘密を抱えているんだよ。

マディー
忠告ありがとう、おばあちゃん。でも、ただの取り越し苦労だと思うわよ！

パール
ウルスラさん、昔サーカス団に所属していたらしいですよ！

ハンク
ああ、聞いたよ。空中ブランコのスター俳優だったんだって？

パール
あれ？人間大砲の花形演者じゃなかったんですか？

メイソン
そんなわけないでしょ、二人とも！

メイソン
ウルスラおばあちゃんは、きっとナイフ投げの達人だったんだよ！

マディー
ハンクはサーカスを見に行くの？

ハンク
ああ、当然だろ！

ハンク
でも、ピエロはゴメンだな…

ハンク
僕、重度のピエロ恐怖症なんだ。

マディー
素晴らしいショーだったわね！

メイソン
マジシャンが帽子からアライグマを取り出すなんて、思ってもみなかったよ！

マディー
ユリウスさんはどうでしたか？楽しめましたか？

ユリウス
正直言うと、少しガッカリしているよ。

マディー
どうしてですか？

ユリウス
デボラがくじで特賞を引き当てたんだ…1枚だけ買ったチケットが、大当たりだったんだよ！

ロディ
自慢するわけじゃないけど、射的なら僕にも多少の心得があるんだ。

ハンク
おいおい、本当か？

ロディ
ああ。特賞を取るくらい朝飯前さ。欲しければ、取ってあげてもいいよ。

ハンク
気持ちだけもらっておくよ。だって、特賞を手に入れるのは僕だからね。

マディー
フィオナさんからの手紙を受け取ってから、彼女がサーカス団を引き連れて町にやってくるのを、ずっと楽しみにしていたの。

マディー
私、サーカス大好き！

マディー
普段の作業を忘れて、魔法のようなひと時を楽しみたいわね。

ロディ
こういうゲームでは、大抵こっちが負けるように仕組まれているんだ…もっと早く気付くべきだったよ！

ハンク
ああ、こんなのイカサマさ！不公平だよ！サーカス団の陰謀だ！

マディー
二人とも、負け惜しみは見苦しいわよ。

マディー
私は正々堂々実力で勝ったんだから！

マディー
フィオナさんを見なかった？

マディー
ドレスリハーサルがあるって言ってたのに、姿が見えないの。

マディー
サーカスのパンフレットがなくなっちゃったから、残りを取りに来たのよ。確かどこかで見たはずなんだけど。

パール
いいえ、見てないわ…ショーの準備で忙しいんじゃないかしら？

マディー
確かにそうかも。なら、公演前に邪魔をするのは気が引けるわね…

パール
彼女のワゴンからパンフレットを取ってきたらどう？それくらいなら問題ないと思うわ。

マディー
プログラムとパンフレットの残りはどこかしら？

マディー
このワゴン…なんて散らかりようなの！

マディー
各地を巡業しているから整理整頓まで気が回らないだろうとは思っていたけど、ここまでとはね…せっかくだし、フィオナさんのワゴンを掃除してあげようかしら。

マディー
この古いリーフレットはクシャクシャだし、ゴミ箱行きね。

マディー
サーカス団の一員になるって、どんな感じなんだろう…とても楽しそうですよね！

マディー
フィオナさんは、どういう経緯えサーカス団になったんですか？

フィオナ・デュバル
話せば長くなるわ、マディー。でもとりあえず、私には大きな夢と明確なビジョンがあった、と言っておこうかしら。

フィオナ・デュバル
この業界で成功するのは簡単じゃないわ。勇気を出して挑戦しないと、場末の小さな見世物小屋で一生を終えることになるのよ。

フィオナ・デュバル
目的のためなら、時にはルールを破ることも必要なの。

フィオナ・デュバル
…ごめんなさい、これ以上私のつまらない苦労話であなたを退屈させるつもりはないわ。

フィオナ・デュバル
今度は、このプログラムをテントまで運んでくれる？

マディー
はい、分かりました！

マディー
あれ？ゴミ箱に紙クズが入っているわ。何かしら…

マディー
何かメモ書きしてあるけど、読めないわ…

マディー
これって…邸宅に関するメモ！？

マディー
バラバラになった紙を、テープで貼り合わせてみましょう。

マディー
紙に書かれたメモの内容…とても怪しいわね。

マディー
邸宅にある物のリストみたいだけど、一部の物には線が引かれているわ。

マディー
これじゃまるで…泥棒の盗品リストじゃない！

ロディ
サーカス団は犯罪組織の隠れ蓑には最適だと思わないかい？

マディー
どうして？派手で奇抜だから人々の注目を集めるじゃない。

ロディ
灯台下暗しってやつさ。まさか犯罪者が自ら目立とうとするとは思わないだろ？

ロディ
そうやって、指の隙間を巧みにすり抜けるんだよ。

マディー
見て、マルザールよ！

マディー
私の未来を占ってくれる？

マルザール
それは指の隙間を巧みにすり抜ける。そして日の光の中に消えていく。

マディー
すり抜けるって…何が？

マディー
うーん、いつもながら漠然とした予言ね…

ウルスラ
おまえを不安にさせたくはないんだけど…最近、邸宅の周りで不審な出来事が起きているみたいなんだ。

マディー
どういうこと？もしかして…サーカス団のことを言っているの？

ウルスラ
そうは言っていないが、仮に連中が一枚噛んでいたとしても驚かないね。

ウルスラ
事態は深刻だよ。邸宅の中の物が次々に移動されているのさ。なのになぜか、何も盗まれていないようなんだ…

マディー
なら、何も問題ないじゃない。心配しすぎよ。

ウルスラ
そうだといいんだけどね…

マディー
あれ？茂みの中に何かあるわ…

マディー
これはピッキングツールセットね！

マディー
おばあちゃんの心配、もしかしたら当たっていたのかも。これは何か恐ろしい計画の序章なんじゃないかしら…

マディー
フィオナさん！

マディー
さっき、これを見つけたんです！

フィオナ・デュバル
ピッキングツールね。どこで見つけたの？

マディー
邸宅の隣の茂みの中にあったんです。多分、隠されていたんですよ。

マディー
こんなこと言いたくないんですけど…サーカス団の中に、邸宅の強盗を企んでいる人間がいる可能性があるのかも。心当たりはありませんか？

フィオナ・デュバル
私たちの中に犯罪者が！？それは穏やかじゃないわね…でも、ありえないわ。とはいえ、妙な考えは起こさないようにって、団員たちには徹底しておくから安心して。

フィオナ・デュバル
恩を仇で返すなんて、社会のルールに反することよ。

マディー
誰かが古い金庫をこじ開けたみたい！

マディー
一体何が起きているの？

マディー
犯人が何を企んでいるにせよ、ただの強盗じゃなさそうね。邸宅には貴重な品がたくさんあるのに、わざわざ古い金庫を開けるなんて…

マディー
特定の物を狙っているってことかしら？だとしたら、それは一体何？

マディー
強盗の首謀者はフィオナさんだったのね！

マディー
うちの敷地でサーカスの設営をさせてほしいって頼んできたのは、邸宅にある品に目星を付けていたからだったんだわ。

マディー
そして、私にパンフレットやチラシ配りを任せた…その隙に自分の計画を進めるために。

マディー
私は完全に利用されたってわけね！

マディー
そこまでよ、フィオナさん！あなたの企みは、もう分かっているんだから。

マディー
人の親切心につけこんで盗みを働くなんて…許せない！

フィオナ・デュバル
言ったでしょう？この業界では、目的のためならルールを破ることも必要だって。

ウルスラ
私の感はやっぱり当たっていたようだね。だが、それでもあんたのことを信じたかったんだ、フィオナ。

フィオナ・デュバル
まったく…もう少しですべてうまくいくはずだったのに、ツイてないわ。

フィオナ・デュバル
あなたの孫娘が余計なことをしなければ、今頃悠々と雲隠れできていたのに！

フィオナ・デュバル
ひとつだけ聞きたいことがあるの..あれはどこにあるの？

ウルスラ
何の話だい？

フィオナ・デュバル
ボールトナイトのことに決まっているでしょ！

ウルスラ
そうか、目的はあれだったんだね…

フィオナ・デュバル
私が巡業サーカス団で一生を終えるつもりだとでも思ったの？

ウルスラ
引退生活のことなら、後でじっくり考えるといいよ…刑務所の中でね！

ウルスラ
今回はよくやったね、マディー。フィオナの強盗計画を白日の下に晒したんだ。お手柄だよ。

マディー
でも、もう少しで逃げられるところだったわ！

ウルスラ
だが、それも阻止できた。おまえのおかげだよ。

マディー
ありがとう。でも、サーカスを嫌いになったりしないでね。おばあちゃん。

ウルスラ
嫌いどころか、私はサーカスが大好きだよ。でも次にテントを呼ぶときは、別の場所にしておくれ！

マディー
この場所はどうですか？サーカスの設営できそうですか？

フィオナ・デュバル
そうね…

フィオナ・デュバル
美しい庭園の隣で見栄えがいいわ。道路も目と鼻の先にあるから、アクセスの良好ね。

フィオナ・デュバル
これ以上ない理想な立地よ！

メイソン
サーカス団にいたときのこと、何か覚えてる、ウルスラばあちゃん？

ウルスラ
どうだろうねぇ。かなり昔の話だから…

メイソン
忘れたふりしてもだめだよ。ぜんぶ覚えているのはわかってるんだから。

ウルスラ
やるようになったじゃやないか、メイソン。

ウルスラ
サーカス団はとても楽しい場所さ。同時に、危ない目に遭うこともあるけどね。

メイソン
ええっ、そうなの？僕、もっと大きくなってからサーカス団に入った方がいいかな？