郷愁のホープウェルベイ

マディー
パールさん！お元気ですか？なんか声が上擦ってる気が…

マディー
アメリア・ボールトンの日、ですか？そういう記念日があるっていう話は、聞いたことがありますけど…

マディー
え、ええ…確かにアメリアは私の祖先です。でも、うちの一族って、正直謎だらけで…

マディー
それで…え？パレードですか？それは楽しそうですね！

マディー
私たちも何か企画できるかも…

マディー
おばあちゃんなら何か分かるかもしれませんから、私から聞いてみます。それじゃ、また後で！

ウルスラ
誰からの電話だい、マディー？

マディー
パールさんよ。アメリア・ボールンの日が近いから、私たちで何か展示品を用意してくれないかって。

ウルスラ
おや、もうそんな時期かい…アメリアの古い持ち物なら残っているよ。彼女が使っていたトランクやスーツケースだけどね。

マディー
それなら良かった！でも…アメリアってどんな人だったの？この町の創設者なのは知っているわ。病院を建てたりして、町に多くの貢献をしてくれたこともね。でも、それだけじゃない気がするの！

ウルスラ
それは、私にもわからないねぇ。

ウルスラ
アメリアは、今でも多くの謎に包まれているのさ！

マディー
一族に伝わるアメリアの逸話はないの？

ウルスラ
みんなが知っていること以外は何も。彼女は自分のことをあまり話さなかったそうだから…

ウルスラ
でも、秘密にしておいた方がいいこともあるんじゃないかい？

マディー
そう言われると、余計に知りたくなっちゃうわ！

マディー
私、アメリアについては何も知らないの。どんな人だったの？出身は？

ウルスラ
おやおや、いつもながら質問が多いこと！

ウルスラ
アメリアについてそこまで知りたいなら、ユリウスに聞くんだね。どんな質問でも答えてくれるはずさ！

ウルスラ
それに、ユリウスの姿をしばらく見ていないから、家を訪ねて様子を見てきた方がいいかもね。ひょっとすると、古切手コレクションの山に埋もれてる…なんてことも考えられるからさ！

マディー
この小さな収納スペース、ダイヤル錠で鍵がかけられてあるわ！

マディー
古い鍵みたいだけど、アメリアが生きていた時代にあったものとは思えないわね！

マディー
つまり…誰かが秘密を隠そうとしているってことね。でも、相手が悪かったわね…私に解けない謎はないんだから！

マディー
ユリウスさんに見てもらいましょう。解錠コードを知っているかもしれないわ！

ウルスラ
アメリアの古い服が何着か残っているよ。

ウルスラ
古い持ち物が欲しいなら、屋根裏を探すのが一番さ。どれがアメリアのものかは分からないけどね！

マディー
ええ、昔のカーレース大会のトロフィーに、ホコリをかぶった古い本…ごっちゃごちゃだわ！

マディー
ハァ…一つひとつ見ていくしかなさそうね。大仕事になりそう…

ユリウス
よく来たね、マディー！元気そうで何よりだ。しばらく顔を合わせていなかったが…

マディー
お久しぶりです！実は、アメリア・ボールトンについて聞きたくて…でも、大丈夫ですか？だいぶお疲れのようですけど…

ユリウス
実は、サーフィンにハマってしまってね！

マディー
サーフィン？

ユリウス
ネットサーフィンのことだよ！

マディー
立派な機材が揃っていますね、ユリウスさん。

マディー
それは…ジュースの空き缶に、ピザの箱？

ユリウス
ハーバートに言われているのさ。ネットサーフィンをするなら、まずは栄養が第一だとね。

ユリウス
アメリアの話に戻ろう。彼女は著名な人物だが、同時に謎の多い女性でもある…実に興味深いよ。

ユリウス
最近見つけた新たな情報は、一見信憑性に欠けていた。しかし、すべてを繋げ合わせていくと…

マディー
繋げ合わせていくと？

ユリウス
君の疑問に対する答えが見つかったよ、ヒヒヒ…

ユリウス
こんな無様な姿を見せてしまって、すまない…

ユリウス
甥っ子のハーバートを覚えているかね？まだ君のことが気になっていて…とにかく、彼はホープベリーフェスティバルに参加するために私のもとを訪れたんだ。

ユリウス
そしたらハーバートは、私がいまだに本を使って調べ物をしていることに愕然としてね！わざわざパソコンとプリンターをプレゼントしてくれたんだ。

ユリウス
ネットは知識の宝庫だということが分かったよ。ただ、ついつい時間も忘れて夢中になってしまう…

ユリウス
アメリア・ボールトンについて知りたいと言っていたかね？

マディー
ええ…彼女の者だっていう古いトランクを見つけたんですが、鍵のかかった収納スペースがあって…

マディー
誰が、何の目的で鍵をかけたのか…そして、何を隠そうとしているのか…その理由を突き止めたいんです。

ユリウス
調査なら、ぜひ任せてくれ…ヒヒヒ…

ユリウス
綿密な調査の後に、奇妙な暗号を発見したんだ。最初は何の数字か分からなかったが…

マディー
もしかして、私が探している解錠コードじゃ？

ユリウス
なら、それを確かめてみようじゃないか！

マディー
アメリアの秘密を、またひとつ突き止めたわ！

マディー
アメリアは引っ込み思案の大人しい女性じゃなくて、勇猛果敢なカーレーサーだったのよ！

マディー
レースに没頭したアメリアと、オートバイや飛行機が大好きなおばあちゃん…ボールトン家の趣味は、遺伝子に刻み込まれているみたいね！

マディー
アメリアは町に多大な貢献をしたみたい。病院や学校、貧しい人たちのシェルターも建設している…

マディー
でも、その出自は謎に包まれているわ。この地で生まれ育った人間ではないし、家族で移住してきたわけでもない。

マディー
彼女はどこからやってきたのかしら？そして、町に大きな貢献をした理由は？

マディー
この箱には、「アメリアの乱」と書かれた古いガラス板がたくさん入っていますね。一体何なんでしょう？

ユリウス
ああ、これは写真乾板だよ！とはいえ、現像は終わっていないようだが…

マディー
お見せしてくれた本には、「アメリアの乱」については何も書かれていませんでした…

マディー
この写真を現像する方法を知りませんか？重要な手がかりになる気がするんです！

ユリウス
もちろんだとも。私に任せなさい！

マディー
写真の中の女性…彼女がアメリアなんでしょうか？

ユリウス
そうと考えて間違いないだろう！一緒に写っている男性だが、顔が消えてしまっているな…乾板自体が傷ついてしまっているようだ。

ユリウス
しかし、アメリアに夫か婚約者がいたことの証明にはなる。何か恐ろしいことが起きたに違いない。

マディー
アメリアは、人生を変えるためにこの町に来たんだと思います。

ユリウス
そして、この男性の魔の手から逃れることができた…だがそれが、束の間の安らぎだったとしてもね。

マディー
この写真を見ていると、まるで当時の光景が目の前に蘇ってくる気がします！

ユリウス
当時、町では暴動が起きたようだ…人々は劣悪な生活環境や鉱山での重労働に、強い不満を抱いていたのだろう…

マディー
そしてアメリアが人々の代表として、抗議活動を率いたというわけですね！

ユリウス
かくして、「アメリアの乱」が始まったというわけだ！

マディー
ホープウェルベイには、とても長い歴史があるのね！

マディー
海賊に炭鉱、それに缶詰工場…

マディー
アメリアが現れてから、この地が大きく様変わりしたのは間違いないわね。

マディー
彼女は町を発展させて、人々に希望を与えた英雄なんだわ。

マディー
ホープウェルベイのいたるところにアメリアの名前が刻まれているんですね！

マディー
彼女の名を冠かんした通りや公園、それに像まで…それなのに、本人のことはほとんど知られていないなんて…

ユリウス
そうだな…ボールトン家の秘密は彼女から始まり、今日まで増え続けているというわけだ…

マディー
これでようやく分かりました…アメリアという存在が、どうしてこの町にとって大事なのかが…

マディー
彼女は、人々のために身を粉にして働いていた英雄なんです…

ユリウス
アメリアは、人々に新たな人生を始める機会を与えた。それは、彼女自身も例外ではない。だからこそ、自分の過去を隠したんだ。

ユリウス
そしてその子孫も、彼女の秘密を守り続けているんだよ。

マディー
鍵のかかった収納スペースに入っていたのは、古い手紙とポストカードだったのね！すべてベイルウッドからアメリアに送られたものみたい。送り主は…”BB”かしら？

マディー
この手紙には、「無事に脱出したようだな。だが状況は深刻だ。やつらは君を探している。」って書いてある…

ユリウス
つまり、アメリアは逃亡中の身だったということか。追っ手をやりすごすために、この町にやってきたんだね。実に興味深い…

ユリウス
他の手紙も読んでみようか。

マディー
こっちの手紙には、「君はコテージを建て終わってようだが、裏には広大な空地が残っている…。」と書かれているわ。

マディー
このコテージって、おばあちゃんの家のことかしら？あの家はアメリアが建てたってこと？

マディー
「大きな邸宅を建てるのはいいだろう。しかし、余計な注目を集めるのは避けるべきだ。」と続いてる…

マディー
これ、うちの邸宅のことよね！アメリアの時代に建てられたってことは、本当に長い歴史があるのね…

ユリウス
手紙から、アメリアの事情が掴めてきたな。しかし、新たな疑問も浮かび上がってきた…

ユリウス
この「余計な注目」というのは、誰のことを指しているんだ？またネットの海に飛び込み、情報をかき集めなければ！

マディー
みんな普通の小物みたいだけど、オシャレですよね！こんな物を集めるなんて、本当に好きだったんだろうなぁ…

ユリウス
いや…このメダルはかなりの値打ちものだよ。知っている人間なら、その価値が分かるはずだ。

マディー
ええと…ですよね！だから、とても良い品物だと思います！

ユリウス
この胸像は数十体しか作られなかったんだよ。私のコレクションで最も価値がある一品だよ！

マディー
確かに、とても美しい像ですね。子孫の私にも似ていると思いません？

ユリウス
謎が好きだという点においては、確かにソックリだろう！

マディー
アメリアはホープウェルベイに多大な貢献をしたのよ。本当にその偉業について知らないわけ？

ウルスラ
ああ、知らないねぇ。

ウルスラ
とはいえ、尊敬すべき人物には違いないよ。だって…

マディー
勇敢な女傑じょけつだったから？

ウルスラ
確かに、それも理由のひとつだね。

マディー
トロフィーを総なめにした一流のレーサーだから？

ウルスラ
それもある。でも、それ以上に…

マディー
何なの？

ウルスラ
秘密を守る達人だったからだよ！

ユリウス
晩年のアメリアは、世界各地を旅して回ったそうだ。しかし、ホープウェルベイに来る前の経歴は不明だ…その素性は謎に包まれているのさ。

マディー
それ、本当なんですか？

ユリウス
本当だとも。まさに正体不明の謎の美女、と言ったところかな。

マディー
図書館に行けば、何か分かるんじゃないでしょうか？アメリアの本が所蔵されたコーナーがあるはずですよ！

ユリウス
ネットも悪くないが、昔ながらの実地調査に勝るものはない。図書館へ急ごう！

マディー
屋根裏で見つけたカーレースのトロフィーのことを覚えてる？

マディー
あれは全部アメリアのものなのよ！彼女は優秀なレーサーだったんだから。

ウルスラ
レーサーだって？さすがは私の祖先だね！