失われた宝石

マディー
おばあちゃん！

ウルスラ
どうしたんだい？

マディー
びっくりしないでね…地下室で線路が敷かれたトンネルを見つけたの！しかもかなり奥が深そうなのよ！

ウルスラ
ああ、あれかい！

マディー
えっ…トンネルがあることを知ってたの？

ウルスラ
まあね。あれはボールトン家のスズ鉱山に繋がる古いトンネルだよ！

ウルスラ
イグナティウスの日記を読んだらどうだい？鉱山に関する”興味深い”歴史が分かるはずだよ！

イグナティウス
今日、古いクレーターからボールトン鉱山を開鉱した。最初に採れたスズはなかなか質が良い。

イグナティウス
鉱員たちも純度の高いスズを多く発見し、やる気に満ち溢れているようだ。

イグナティウス
この資源があれば、工場は大きく繁栄するだろう。

イグナティウス
数週間経っても際限なくスズが採れている。そして最近、奇妙な赤色の宝石まで見かけるようになった。

イグナティウス
私も初めて見る代物だ…内側の光が、まるで生きているかのように中でうごめいている。

イグナティウス
その宝石を私の名前にちなみ、「ボールトナイト」と名付けることにした。

イグナティウス
鉱山を掘り進めるほど、さらなる宝石が採掘される！アメジストやトパーズ、さらにはラピスラズリまで！すべてここに眠っているのだ！

イグナティウス
これは世紀の大発見かもしれない！ボールトナイトもまだまだ採れそうだ。

イグナティウス
先ほど知人の科学者たちに連絡し、調査を行ってもらうことにした…

今日訪れたエジソン氏は、さっそくボールトナイトの持つ電気的性質に興味を示していた…

イグナティウス
ボールトナイトは新たなエネルギー源になることだろう、と彼は確信している。世界に革命を起こすほどの発見だそうだ。

イグナティウス
エジソン氏たちの研究結果が楽しみだ。

イグナティウス
他の科学者たちも研究チームに加わった。そして、ボールトナイトを使った実験で、彼らは驚くべき発見をした。

イグナティウス
テスラ氏によれば、これだけ強力な磁場を生成する宝石は他に類がないという。

イグナティウス
この宝石は、想像以上に大きな発見だったようだ…

イグナティウス
何カ月もの研究の末、科学者たちは皆一様に、ボールトナイトは普通の宝石とは似て非なるものであると主張した。

イグナティウス
ボールトナイトの利用価値は計り知れない…

イグナティウス
巨万の富をもたらすはずだ！

イグナティウス
私と同じく、鉱員たちの興味も高まっているようだ。ボールトナイトは今もなお採れ続け、鉱脈が尽きる気配はない。

イグナティウス
研究チームは、ボールトナイトの実験を継続するつもりだ。

イグナティウス
ボールトナイトの噂が広まり、国中から問い合わせが殺到している。

イグナティウス
投資や科学者はボールトナイトに興味津々だ。その興奮が手に取るように伝わってくる。

イグナティウス
我々の努力がここまで認知され、万感の思いだ。

イグナティウス
本日、大昔にできたクレーター内の鉱山を探索した結果、ある仮説が浮上した。ボールトナイトは地球外の物質ではなかろうか。

イグナティウス
ボールトナイトが持つ特性を見る限り、とても地球上のものだとは思えない。数万年前に飛来した隕石がもたらした奇跡なのだろうか。

イグナティウス
この仮説により、我々の探究心にさらなる火がついた。是が非でも、この宝石の秘密を解き明かそう…。

イグナティウス
エジソン氏を含めた研究チームの協力により、新たな装置の開発に成功した。まだ試作段階だが、ボールトナイトを動力として缶と中身を自動で分別する機械だ。

イグナティウス
その精密性たるや、これまでに製作した装置とは比べ物にならない。

イグナティウス
この発明は、ボールトナイトの新たな可能性を示しただけでなく、我が缶詰工場の生産ラインにも大きな革命をもたらすだろう。

メイソン
マディー姉ちゃん！マディー姉ちゃんってば！

マディー
そんなに大きな声を出さなくても聞こえてるわよ！一体どうしたの、メイソン？

メイソン
ホープウェルベイの地下に、お宝がたくさん隠された鉱山があるって聞いたから…

メイソン
宝石とか、他にも貴重な物がいっぱい眠っているらしいよ！サンタさんに頼めば、取ってきてくれるかな？

マディー
そういえばクリスマスの時期の鉱山の様子が、イグナティウスの日記に書かれていたはずだわ。

マディー
イグナティウスは日記を子供たちに読み聞かせるのが大好きだったみたい。あなたも聞きたい、メイソン？

メイソン
うん、お願い！

イグナティウス
それはクリスマスの前夜、辺りが寝静まった時のことだった…

イグナティウス
人や動物はおろか、ネズミ1匹すらいない静寂の中で…

イグナティウス
煙突にかけられた大事そうな靴下…

イグナティウス
サンタクロースの訪問を待ち望んでいたのだろう…

イグナティウス
子供たちはベッドですやすやと眠る…

イグナティウス
明日食べる甘いお菓子の夢を見ながら…

イグナティウス
庭先に響いたのは大きな物音…

イグナティウス
私はベッドから飛び出して様子を見にいった…

イグナティウス
そこで目に飛び込んできたのは、ふくよかな妖精の老人…

イグナティウス
彼のおかしな姿を見た私は、思わず噴き出してしまう…

イグナティウス
彼が抱える袋から大量のおもちゃがこぼれ落ちた…

イグナティウス
まるでカバンを開けた行商人ではないか…

イグナティウス
彼は言葉を発することなくおもちゃを集め始める…

イグナティウス
袋に贈り物を詰め、立ち去る準備を素早く済ませた…

イグナティウス
だが去る前に彼はこう言った…

イグナティウス
「メリークリスマス、皆の衆！良い夜を！」

イグナティウス
サンタはとっておきを最後に残しておいているようだ…

イグナティウス
がんばった自分へのごほうび、と言ったところか…

イグナティウス
今日、不思議な手紙が届いた。古びた鍵が同封されている。

イグナティウス
手紙によると、海底に沈んだ伝説の財宝があるらしい。数々の珍品が眠っているようだが、特筆すべきは王冠の宝飾だ。

イグナティウス
記載されている特徴が、ボールトナイトのそれと酷似している。期待を膨らませずにはいらいれない。

イグナティウス
届いた手紙をヒントに、私はある資料館へとたどり着き、そこでほころまみれの古い木箱を発見する。手紙に同封されていた鍵は、この木箱の鍵であった。

イグナティウス
中の書類もほこりまみれだったが、財宝の在り処ありかに繋がる手がかりが得られるかもしれない。

イグナティウス
財宝を見つけるには、この書類を精査するしかない。

イグナティウス
私は連日連夜、木箱に入っていた書類と古い地図の調査に明け暮れていた。

イグナティウス
その努力は実を結び、ついに沈没船が最後に目撃された場所を突き止めることに成功した。

イグナティウス
沖合に連なる未開の島々に、私が追い求めている財宝があるかもしれない！

イグナティウス
旅の準備は着々と進んでいる。

イグナティウス
私は大型船を調達し、信頼できるクルーを招集した。

イグナティウス
未知なる世界と財宝への期待で、私たちの胸は高鳴っている。冒険の始まりだ！

イグナティウス
出航から数カ月、ようやく未開の島へたどり着いた。

地平線にそびえ立つ山の姿は、書類に記載されていた通りの雄大さだ！

イグナティウス
洞窟の入口はぽっかりと口を開け、気味の悪い音で私たちのことを呼んでいる。まるで、中に隠された秘密をささやいているかのように…

イグナティウス
信じられない！洞窟の奥深くで難破船を発見した！

イグナティウス
まさか洞窟の中で見つかるとは…沈没したわけではなかったのだ。

イグナティウス
しかし大きな疑問が残る。一体何が起こったのか…？

イグナティウス
実にもどかしい…船を調べても、洞窟の中に入り込んだ理由を説明するものは見つからなかった。

イグナティウス
そのうえ船倉せんそうが浸水しており、調査の継続は困難だった。

イグナティウス
奥の宝物庫ほうもつこにたどり着くには潜水用具が必須だ！

イグナティウス
私たちは潜水用具を確保し、水底へと進んでいった…

イグナティウス
朽ち果てた木やがれきを取り除くのは一苦労だったが、ついに宝物庫を目前に捉えた！

イグナティウス
今日はいったん切り上げて、明朝から探索を続けるとしよう。ようやく財宝に手が届くんだ！

イグナティウス
私たちは胸を踊らせながら宝物庫を開けた。

イグナティウス
中からは、黄金のアクセサリーから古代の美術品に至るまで、想像を絶するような財宝の山が出てきた。

イグナティウス
そして私は目撃する…あの至高の輝きを！