隠れ家バー

マディー
あら…なんだか拍子抜けだわ。

マディー
ただの倉庫じゃない。

ロディ
うーん…

マディー
どうしたの、ロディ？

ロディ
ここは存在しない部屋だ…

マディー
どういうこと？

ロディ
ボールトン邸の設計図を詳しく研究したことがあるんだけど、ここに部屋はないはずなんだよ。

ロディ
ほら、この家はデザインが独特だからね。うちの大学じゃ、建築家志望の学生は必ずと言っていいほど研究するんだよ。

ロディ
そうだ！ちょっと出かけてくるよ！

マディー
出かけるって…一体どこへ！？

ロディ
いいことを思いついたんだ！この邸宅を…救う方法をね！

マディー
ロディ、待って！

マディー
はぁ…行っちゃった。どうして私の周りには、ストレートに答えてくれる人がいないんだろう…

マディー
このトロフィーはどれも安物っぽいけど、クイズ大会の景品だったのね。

マディー
トロフィーには”レニー”って名前が刻まれているわ。開催場所は…ホープウェルベイのレストランのようだけど…

マディー
きっとレオナルドさんのものね。でも、これに特別な思い入れでもあったのかしら？

マディー
すごい！ドリンクとガーニッシュがいっぱいに詰まってる！

マディー
ずっと、自分のオリジナルドリンクを作ってみたかったのよねぇ。

マディー
イーゼルが置いてあるけど、何も書かれてないわ。

マディー
アーティストにスランプはつきものってことかしら？

マディー
見つけた！ヒューズが何個かあるわ！

マディー
それに、ちゃんと色分けされてるわ！

マディー
あとは、ヒューズボックスに取り付けるだけね。どこに電力を供給してるのかしら…

ジャッキー
マディー！私、ついに大きな仕事を担当することになったの！

マディー
それは良かったわね！それで、どんな仕事なの？

ジャッキー
ホープウェルベイタイムズに新しい編集者がやってきたの。根っからの報道記者って感じの人なんだけど…

ジャッキー
ヴィクトリアとブルーの町長のことを調べたいんだって。あの2人、色々と黒い噂が絶えないから…

ジャッキー
それで私が潜入取材をする羽目になったんだけどさ…マディーにも手伝ってもらえないかと思って。

マディー
あの2人の企みを暴けるなら、喜んで手を貸すわよ！

ジャッキー
ありがとう！役所に潜入できれば、決定的な証拠が見つかると思うんだけど…そのためには変装する必要があるわね。

マディー
この部屋、散らかってる割にはいい家具が揃っているのよね。

マディー
高級品と呼んでもいいくらいだわ。

マディー
どうして誰も入らないような部屋にお金を注ぎ込んだのかしら？

マディー
私は建築家じゃないけど、この壁が異質なことは明らかだもの。

マディー
裏に何かがあるのかも…

マディー
やっぱり私の勘は正しかったわ。お金が隠されてたのね。

マディー
でも、ラウンジのお金と同じように偽造されたものだわ。

マディー
ま、もう驚かないけどね。

マディー
きっと、レオナルドさんと闇ビジネスが関わってるに違いないわ！

マディー
このヒューズボックスはどこに繋がってるんだろう？

マディー
どうやら、ヒューズボックスの中身は空みたい。この辺に落ちてないかな？

マディー
この絵には、ヒューズの種類と取り付け位置が描かれているわね。部屋を探せばヒューズが見つかるかも！

マディー
ヒューズをちゃんと入れれば、何かしらの電源が入るはずだわ！

マディー
この部屋、変わった物だらけね…

マディー
ま、ダンスフロアもそうだったけどさ。

マディー
それにしても、あのマネキンは何だったのかしら？そのうちの1つは、服装がウィンストンさんと瓜二つだったし…

マディー
もう一人はきっと「L」って人ね。「ライオンハート」の略かしら？本当の名前っぽくないけど…

マディー
そうか！人目を忍んだ秘密の関係だったのかも！

マディー
わあ、すごい！

マディー
1つ目のヒューズを入れたら…

マディー
バーカウンターが出てきたわ！でも、何でここに…？

マディー
ちょっと待って！よく考えると…ラウンジがあってダンスフロアがあるってことは…

マディー
ここはバーだったのね！

？？？
ようやく直ったか…ウィニーに何度も修理を頼んでいたんだがね。感謝するよ。

マディー
あなたはラウンジの絵の…レオナルドさんですね！

レオナルド
ああ、私がレオナルドだ。君はマディーだね？聞いたよ。ボールトン家の救世主なんだって？

マディー
レオナルドさん、ここで一体何を…？

レオナルド
ちょっと一杯やってるだけさ。

マディー
そうじゃなくて、何しに邸宅に来たんですか！？

レオナルド
新参者に文句を言われる筋合いはないな。

マディー
それならお聞きしますが、邸宅がきれいになったのは誰のおかげだと思ってるんですか？

レオナルド
やはりホープウェルベイは美味だな！ウィニーのことだから、この箱に隠してあると思ったよ。

レオナルド
ここが解体される前に味わうことができて良かった…

マディー
もしかして、町長の計画を知ってたんですか！？ここをカジノにするって話を！？

レオナルド
マディー…誰が入れ知恵をしたと思っているんだい？

マディー
え、まさか…な、なんでそんなに…

レオナルド
冷徹なのかって？それとも無慈悲？残酷？何が言いたいのかね？悪態をつかれることには慣れているから安心しなさい。

マディー
でも、ここはあなたと…おばあちゃんの大事な家じゃないですか！

レオナルド
大事にしていないから、ウルスラも長年私に任せていたのだと思うがね。

レオナルド
おや？まさかウルスラから聞いていないのかい？困ったものだ。

レオナルド
ま、あいつの性格に慣れるしかないな。ボールトン家が失墜した原因は、すべてウルスラにあるのだから。

レオナルド
でも、もう心配はいらない。この悲劇の一族を救う計画があるのさ。

マディー
計画ですって？私は知ってますよ。あなたの無謀な計画が、ことごとく失敗に終わってきたってことを！

マディー
あなたの”ビジネス”も、”素晴らしい計画”だったそうですね？

マディー
それなのに、一族の財産が消えなくなったのはなぜでしょう？

レオナルド
そんな虚言を誰に聞いた！？

マディー
もちろん、おばあちゃんですよ。おばあちゃんを脅迫しようとしたこともね！

レオナルド
そ、それは違う！すべて出鱈目でたらめだ！

マディー
じゃあ、本当のことを教えてください！もうごまかされたり、うやむやにされたりするのは嫌なんです！

レオナルド
話す義務はない。たとえ相手が君だろうと、ウルスラだろうとな…

レオナルド
やはりウィニーは正しかった。この一族に私を理解してくれる者はいない…

マディー
ウィニー…？

マディー
…ってことは、あなたがライオンハートですか！？

レオナルド
ど、どうしてその名前を！？

マディー
ブランコの隣の木に書いてあったもの！ウィンストンの「W」とライオンハートの「L」って文字がね！

レオナルド
人の秘密を勝手に覗くとは、どういう了見だ！

マディー
ウィンストンさんがケンカ別れしたって言ってたけど、そういう関係だったのね…

マディー
でも、だとしたらなおさらです！どうしてこんなことができるんですか？薄情にもほどがありますよ！

レオナルド
君に私の苦しみは分からないよ…

マディー
おばあちゃんを裏切っただけじゃなく、あなたを心から愛してくれた唯一の人まで悲しませるなんて…

マディー
だからこの家を手放したいんですか？辛い経験を消し去るため？

レオナルド
いい加減にしろ！

レオナルド
こんな話をするためにここに来たわけじゃない！君は問題児だと聞いていたが、噂以上の厄介者だな。

レオナルド
もうたくさんだ。ここら辺で失礼させてもらおう。

マディー
本当に救えないわ…

レオナルド
私なら、町長の提案を二つ返事で受け入れるぞ。

レオナルド
これを逃せば、次はないだろうからな！

マディー
あら、この球体は何かしら？まるで水晶体みたい…

マディー
ホコリまみれになってるけど、作りはとても精巧ね！

マディー
表面は鏡のように美しく仕上げられてるし、細かなデティールも見事だわ！

マディー
きれいに掃除して、もっとよく調べてみるべきね。

マディー
この大理石のテーブル、おもしろい模様が描かれてるわ…

マディー
これって、”無限”のマークじゃないかしら？

マディー
ピカピカに掃除したけど…これって、ディスコボールなのかしら？大分変わった目だわ。

マディー
でも、この部屋が前の部屋と繋がってることを考えると、そう考えるのが自然ね…

マディー
あれ？土台にボタンが付いてるわ。

マディー
一体何のボタンだろう…？

マディー
ボタンを押したら球体が開いたわ…

マディー
中にあるのは…ハートの形のかわいい水晶ね！

マディー
文字も刻まれてるみたい…「私の心は君のものだ、ウィニー。」ですって…

マディー
レオナルドさんが作ったものに違いないわ。秘められた心…とてもロマンチックね。

マディー
もしかして、レオナルドさんの冷徹な仮面の下には、優しい本性が隠されてるのかしら…？

マディー
ま、今はそんなことを考えていても仕方がないわ。部屋の修復を続けないと。

マディー
この部屋にも出口がないの！？

マディー
ロディの話は本当だったのね…

マディー
落ち着くのよ…どんな部屋にも必ず出口はあるはず…

マディー
あら、ここにもトランプがあるわ！

マディー
せっかくだし、少し休憩してトランプで遊ぼうかしら。

マディー
ここはひとつ、運試しよ！

マディー
まだ運は私に向いているようね！

マディー
さて、部屋の修復作業を再開しないと…

マディー
このヒューズを入れたらどうなるんだろう…

マディー
不思議なことがありすぎて、何が起こるか想像もつかないわ！

マディー
すごい！ジュークボックスだわ！

マディー
地面から飛び出す仕掛けにも、いい加減もう慣れてきたわね。

マディー
でも、この手のジュークボックスは初めて見るわ、まるで映画から飛び出てきたみたい！

マディー
それに、場違いなほどSFチックね。なにか秘密があるのかしら…？

マディー
うーん…このジュークボックス、カスタムモデルみたい。

マディー
珍しい部品がいくつも使われているわ…

マディー
誰かが手を加えて改良したのね。

マディー
気になるのは…曲を再生するボタンがないことだわ。

マディー
よく見ると、ジュークボックスの画面だけが新しいわ！

マディー
きっと、画面が壊れて修理しようとしたけど、型が古すぎて同じものが見つからなかったのね。

マディー
収録されてる楽曲は…おばあちゃんの話でしか聞いたことのない古い曲ばかりだわ！

マディー
レオナルドさんとおばあちゃんって、音楽の趣味が似てるのね。さすがは血を分けた姉弟だわ。

ジャッキー
次は庭へ行きましょう。

マディー
ここで働いている庭師なら、いろんな事情に精通しているはずよ！

ジャッキー
庭師に変装するのはいいけど、ガーデニングは得意じゃないの。バレないか心配だわ…

マディー
私が手ほどきしてあげるから、大丈夫よ！

ジャッキー
めぼしい手がかりは見つからなかったわ…

ジャッキー
でも、今日は役所でパーティーがあるらしいの！

ジャッキー
ずっと、自分のオリジナルドリンクを作ってみたかったのよねぇ。

マディー
それ良いアイデアね！

ジャッキー
バーテンダーとしての仕事でてんてこ舞いだったけど、なんとか抜け出せたわ…

ジャッキー
取材もいよいよ大詰めね…ブルーノ町長の事務室に潜入するわ！

マディー
見つからないか不安だけど…気を付けてね、ジャッキー！

ジャッキー
危なかった…九死に一生を得たわ。

ジャッキー
警備員に見つかるんじゃないかって、ヒヤヒヤしたもの！捕まらずに逃げ出せたのは幸いね…

マディー
手がかりは見つかったの？

ジャッキー
ええ。重要そうな書類をたくさん手に入れたから、徹底的な証拠になるかもしれないわ。今からオフィスに戻って、目を通してみるわね！

ジャッキー
協力してくれてありがとう、マディー！何か分かったら、知らせるわ。

マディー
冷蔵庫に紙が貼ってあるわ。

マディー
楽譜みたいだけど…

マディー
これ…何かの手がかりにならないかしら？

マディー
もう一回ジュークボックスを調べてみる必要がありそうね。この部屋で音楽に関係するものは、あれしかないもの！

マディー
この冷蔵庫も、この部屋の雰囲気とはかけ離れてる…

マディー
ジュークボックスもそうだけど、他の物に比べて新しすぎるもの。

マディー
しかも、扉が引っかかって開かないじゃない！

マディー
中に食べ物なんかが入ってないといいけど…腐ってるかもしれないし。

マディー
このジュークボックス、パスワードの入力機能が追加されているみたい。

マディー
でも、肝心のパスワードが分からないわ。

マディー
待って！ひょっとしたら…

マディー
そうだ、テーブルだわ！あれは”無限”のマークじゃなくて、数字の”8″だったのよ！

マディー
他の数字も、この部屋のどこかに書かれてるかもね！

マディー
…あっ！ドリンクディスペンサーにも数字が書いてある！

マディー
そして、冷蔵庫の横にも！

マディー
数字が分かったのはいいけど、順番はサッパリね。

マディー
とりあえず、修復した箇所と同じ順番で入力してみようかしら。

マディー
まずは2、次は4、最後は8ね！

マディー
やった！ついに冷蔵庫が開いたわ！